インドネシアの二代目大統領で、30年にわたって独裁政治を展開したスハルト。そのスハルト政権を痛烈に批判したことで知られる詩人Widji Thukulの詩『Monumen bambu runcing』を紹介します。Widjiは34歳の時に失踪し、現在まで消息不明です。国軍に誘拐・暗殺されたとの見方もありますが、真相は謎のままです。

https://suryatravel.tribunnews.com/2020/09/22/ikon-surabaya-monumen-bambu-runcing-juga-akan-dibuat-air-mancur-berkabut#google_vignette
インドネシア語の原文
題名:monumen bambu runcing
monumen bambu runcing
di tengah kota
menuding dan berteriak merdeka
di kakinya tak jemu juga
pedagang kaki lima berderet-deret
walau berulang-ulang
dihalau petugas ketertiban
日本語訳
題名:竹の記念碑
町の真ん中にある 尖った竹の記念碑
指差して自由を叫ぶ記念碑の足元で
飽きずに商いをする露天商の列
警察官に何度差し押さえられても
- monumen bambu runcing[名詞] 竹槍のモニュメント(インドネシア各地にある記念碑)
- menuding[動詞] 指を指す
- berteriak[動詞] 叫ぶ
- jemu[形容詞] 疲れる、飽きる

詩人 ウィドジ・トゥクル(Widji Thukul)
1963年8月26日生まれの詩人・活動家。インドネシアの2代目大統領スハルト政権下(通称:ニューオーダー政権)を痛烈に批判した詩で知られた。しかし、当時34歳であった1998年2月10日に失踪し、現在まで行方不明となっている。他の活動家数人とともに軍に誘拐されたとの疑惑も強い。Wikipedia